栃木県は那須高原の森の中に
ギャラリーバーンという名の、画廊というか
素敵な佇まいの美術館があります。
ギャラリーバーン
http://www.barn.jp/http://blogs.yahoo.co.jp/nasuweb_blog/26945718.htmlhttp://www.geocities.jp/hwfhb259/gallerybarn.htmlこちらのギャラリーさんとは以前から懇意にさせて頂いていまして、今まで何度かコンサートまでさせて頂いたこともあるという、私には大きなご恩のある場所なのですが
そんなギャラリーバーンさんへ先日ふらっと立ち寄ってみたところ、思わぬオファーを頂いてしまいまして、それが今回のタイトルの「山田英男絵画展」に繋がるというわけなのでした。
栃木県は大田原市の「黒羽たまち蔵屋敷」という画廊にて、この山田英男さんという画家さんの個展が開催されるそうなのですが、そのオープニングセレモニーの中でギターを弾いてほしい、というのが今回頂いたご依頼の内容でして
私のようなただのギター愛好家にとっては、それはもうどこまでもありがたいこの上ないお話ですので、一も二もなく「ぜひ弾かせてください!」と飛びつきたいところだったのですが・・・
やはり世の中そんなに甘くはありませんよね(笑)
実はこのご依頼にはクリアすべき問題点がいくつか存在してまして、それらを自分の力で解決できなければ決してお受けしてはいけない、というのがまず最初に考えたことでした。
その問題点というのは・・・
・準備期間の少なさお話を下さった時点で本番の日まですでに1ヶ月を切っている、という状況でしたので
楽器を弾かれる方であれば、短すぎる準備期間で人前で演奏することがどれだけ危険なことか理解していただけると思います。
常にレパートリーを保持しているプロ奏者ならともかく、単なる一アマチュアにしかすぎない私ですので、自分の実力を振り返ってみてここが最も躊躇した部分でした。
・選曲こうした絵画美術のような他分野の場で演奏させて頂くとき、一番気を遣うのがやはり選曲だと思うのです。
お客様はもちろん作品を鑑賞に来られるのですから、まずその作品(絵)の雰囲気を壊してしまうような曲は絶対避けなければいけません。
と同時にできるだけ誰もが聴いた事があるような曲を選ぶことも大切だと思います。
展示作品のイメージを壊さず(できればそのイメージをより膨らませてあげられるような)しかもお客様に馴染みの、聴いていて退屈せずに済むような選曲というのは
マニアックな曲ばかり並んでいる(笑)クラシックギターとしては、実は想像以上に難しいものなのです。
・故障それとあくまで個人的な私自身の問題として、この右手首のケガのことがありました。
9月の”あだたら演奏会”もなんとか無事終わり、あとは年末の教室の発表会へ向けてぼちぼち練習を始めていたところに届いたこの「絵画展」のオファーだったのですが
私のこの手首、実はまだまだ本調子には戻っていなくて、少し本格的に練習をするとすぐまた痛み始めるであろうことは先の演奏会での経験でじゅうぶん分かっていたのです。
しかも今回は極端に準備期間が短いので、もし出演させて頂くとすれば相当無理な練習を積まなければならないことは明らかでしたので
「きちんとした演奏が出来なければ多くの方にご迷惑をお掛けしてしまう」というのが、私が一番心配したことでした。
こうした数々の問題点を並べてみて、私が出した結論は
「ソロでは無理」というものでした。
提示された40分という時間枠を私のギター独奏で埋めることは、こりゃいくらなんでも今の自分にはとても無理だという結論に達しました。
ですが、こんな一愛好家にしか過ぎない私に声を掛けて下さったギャラリーバーンの代表の方のお気持ちを思うと、もうあまりにありがたすぎて
「ごめんなさい。できません」とは決して言えません。
そこで私が導き出した解決策は、私のもうひとつの大切な音楽活動であるギターデュオPi-ma(ぴま)として出演させてもらおう、というものでした。
ギター二重奏であれば、上に並べた問題点(選曲・演奏時間・ケガへの負担)のかなりの部分が一気に解決できますし、音量も表現力もソロの倍の効果が期待できます。
何より、堅苦しいクラシック音楽ではなく誰もが知っているような曲をギターで弾こうとする場合、ソロより重奏という形式の方がはるかに馴染むのではないかと感じるのは決して私だけではないはずです。
そうした要素を鑑みた上で、ここはぜひギター二重奏という形で演奏させてもらえるようお願いしてみようと思ったのです。
幸いギャラリーバーンさんにも、また私が最も信頼する音楽パートナーのY氏にも快諾をいただけましたので、これで晴れてギターデュオPi-maとしてこの
「山田英男絵画展」オープニングセレモニーで弾かせて頂けることとなりました。
このあまりにも短い準備期間と、そして40分の演奏時間のうち半数以上は新曲という大変厳しい条件にも関わらず快くお引き受け下さったギターデュオPi-maの1stギター、Y氏には心から感謝しています。
何より今回このお話を下さり、しかも「二重奏として弾かせて下さい」というこちらの勝手な申し出にも快く了承下さったギャラリーバーンのS氏には、もう感謝のことばもありません。
手首の故障もあり、思うように弾けないことがとても悔しくもありますが、でもパートナーY氏のお力をお借りして精一杯全力で弾かせてもらおうと思っています。
画家 山田英男氏の作品は、下のリンクに今回のチラシを貼らせて頂きましたが
ご覧のように日本の原風景をとても温かいタッチで描かれる方です。
この素敵な作品を引き立てる・・などと偉そうなことは決して言えませんが、せめて邪魔をしないような演奏ができるよう全力を尽くすつもりです。
興味を持たれた方、またお近くにお住まいの方がいらっしゃいましたら
こちらの「山田英男絵画展」ぜひお越しいただければと思います。
「山田英男絵画展」のお知らせ(大田原信用金庫カレンダー)
http://www.tochipro.com/?p=2232
『山田英男の描くふるさとの絵は
優しく愛情溢れる風景です。
子供たちが草花を摘み虫を追い
おばあさんやおじいさんが田畑で働いている
私たち誰もが体験してきた風景です』
11月2日(土)〜10日(日)10:00〜16:00
(オープニングセレモニーは2日(土)Pm2:00より)
演奏予定曲目
・小さい秋みつけた
・七つの子
・フール・オン・ザ・ヒル
・ロンドンデリーの歌 など
黒羽たまち蔵屋敷
栃木県大田原市黒羽田町636-1
TEL 0287-54-1111
主催:山田英男を応援する会
協賛:大田原信用金庫 大田原市街かど美術館
問い合わせ:ギャラリーバーン TEL 0287-64-2288
ギャラリーバーンのS氏とご家族のみなさま

(S氏の作品です)
訃報:
ここで悲しいお知らせをしなければいけません。
こちらの作家の山田英男さん、つい先日ガンでお亡くなりになられたそうです。
享年69歳、個展開催目前にして息を引き取られてしまいました。
さぞご無念だったことでしょう。
「オープニングにギターの生演奏を入れることができますよ」と主催の方が山田氏にご提案下さったとき、喜んで承諾して下さったそうで
そうしたお話を聞いてしまうと、まだ一度もお会いしたことのない方なのに私もとても残念に思えて仕方ありません。
残念ながら追悼展となってしまいましたが、故人のお気持ちに応えることができるよう精一杯心を込めて弾かせてもらってくるつもりです。
がんばってきますね。