國松竜次というギタリスト氏がおられます。
このブログでは何度も取り上げさせていただいている方ですし、紛れもなく現代日本を代表するギタリストの一人に数えられる方のはす。
でもなぜか驚くほどにあまり知られていず、氏の大ファンの私などはそれがとても悔しくて、それでついこうして機会があるたびいろんな所で強く推してしまうのです。
技巧的にもものすごいものをお持ちですし
(氏の「ナイトクラブ」や「エスクアロ」を一度お聴きになってみて下さい。紛れもなく世界のトップレベルにも比肩するテクニックを発揮されています)
何より曲を「唄う」ことに関しては、日本人ギタリストの誰よりも秀でたものをお持ちだと思うのです。
それこそ今すぐ「現代ギター誌」の表紙を飾ってもちっともおかしくない方だと思うのですが、いまだそんな流れは起きてこないことが本当に不思議でなりません。
今回の『好ギタ日』は、そんな國松竜次氏のオリジナル曲
「オリエンタル・ワルツ」をお届けしてみたいと思います。
もしかして覚えておいでの方もいらっしゃるかもしれませんが(もしそんな方が本当にいらっしゃったなら、もう感謝感激。ひれ伏して感謝申し上げます)以前このブログで一度録音を公開したことがある曲なのですね。
あの時は第1楽章のみでしたが、今回はオリエンタル・ワルツ全三楽章を全曲通して動画で載せてみました。
私たち日本人にとって「オリエンタル」と言われて浮かんでくるものといえば、そう
シルクロードとか、中近東とか、ペルシャ絨毯とか、アラジンドビンハゲチャビンとか(笑)そういったイメージだと思うのですが、音楽の世界でも確かに「オリエンタルスケール」という音階があったりします。
(ド・レ・ミ♭・ファ♯・ソ・ラ♭・シ)
この國松氏の書かれた「オリエンタル・ワルツ」、そういったオリエンタルでエキゾチックな雰囲気を濃厚に漂わせた不思議な心地よさを持った曲だと思うのですが、決してそれだけには留まらず
私たち日本人の琴線に触れるような、心の奥底に秘めた深い悲しみや孤独、哀切といった感情まで内包しているような、そんな深い曲だと思うのです。
そこがこの國松竜次氏の、作曲家としても並々ならぬ力量を持つということの何よりの証明ではないでしょうか。
管理人としましても、力の及ぶ限りこの曲の持つ感情の深い部分を表現しようと全力を尽くしたつもりですが、如何せん力量のなさに悔しい思いを禁じえません。
でも、曲の素晴らしさはきっと分かっていただけるはず。
もしも興味を持っていただけたなら、是非一度お聴きいただければと思います。
(今年の9月に行われた、郡山市で開催された「あだたら演奏会」でのライブ映像となります。
全曲通して15分ほどかかってしまいますが、願わくばぜひ1楽章から3楽章まで続けてお聴きいただければと思います)
オリエンタル・ワルツ 第1楽章
第2楽章
第3楽章
実はこの映像は、私が10年間出させていただいた「あだたら演奏会」の最後の出演となりました。
というのは、激務と加齢による体調不良と、それに伴って大幅に減ってしまった練習時間により、現在の演奏力を維持することがもうこれ以上はとても無理だという判断を下さざるを得なくなってしまったからなのです。
それともうひとつは、私がずっと目指し続けてきた演奏スタイルが主宰者から決して理解されず、その無理解と不当で差別的な待遇とにとうとう私自身忍耐の限界を迎えてしまったのです。
それでも、今までずっと私の音楽を支持し応援し続けてきて下さった客席の皆様にはとても大きな恩義を感じていたので、この演奏会の中で自らの引退を宣言し、感謝の気持ちを客席に伝えてきました。
(その模様はこの動画からはカットしてありますが)
ですのでこの時のオリエンタル・ワルツは、私にとっても特別な思いを持った、様々な感情が錯綜した演奏となりました。
もちろん、自分の感情を丸出しにしてぶつけるような演奏は極力避けたつもりではありますが、でももしも聴いて何かを感じ取っていただけたなら非常にうれしく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
これだけの 表現力をもたれ ひかれたら
もう アマチュアの域を超えるのではないでしょうか・・・・
これからは naoファンの方に向け
ひたすら発信のみですね。
一つ手放したことで きっと ご自分の欲しているものへと 近づくことでしょう。
静かに でも 力強く 自分の鼓動を確かめながら、刻む音がしました。
naoワールドの 一歩!
※このコメントは非公開です。
こんな素晴らしい演奏が一つでも自分にも出来るようになればと遅々として進まない練習を続けています。練習が継続出来ているのもNaoさんという目標があるからです。
演奏内容も技術も未だ十分に理解できていない私ですが、これからも是非素晴らしい演奏をお聞かせ下さい。
こんばんは、おじゃまします。おすすめの全部いっぺん”に聴こうと思って今、聴きました。國松竜次さんの演奏はnaoさんのおすすめ動画で初めて聴きましたが、その方の音楽をご自分の物にされている演奏に感動しました。悲しげなメロディーにnaoさんの気持ちが乗っかってました。國松さんはnaoさんが素晴しいというだけあって、テクニックはもちろん感情を音にする能力に長けてますね。人間、頑張ろうとか前向きとか明るい感情うを良しとしますが、現実は残酷で悲しくやるせなく、辛いことばかり。そんな本音を聞ける気がしました。それを受け止めるしなやかさ・・・素敵な演奏ありがとうございました。yukii
kaoさま
ありがとうございます!
そうなんです。
自分としては何かこう、ひとつの大きな区切りを迎えたような、今はそんな気がしています。
(勿論、寂しさも大きいのですけどね)
本来私たちアマチュア演奏家は、音楽と関わってゆくその在り方について、常に『自由』で『楽しく』あるべきだと思うのです。
それを、無理矢理にスタイルを押し付けられたり、こちらが一生懸命考えて努力して見出した表現を頭から否定されたり、ましてや悪意すら感じられる無理解や差別的扱いなど、本当は決して受けてはならないはずなのです。
そういったものは、音楽を創り出す『生みの苦しみ』とは全く関係のない、ましてや自分を高めることに全く繋がらない、耐える必要のまるでない苦痛だと思いますので・・・
所属から離れてひとりで続けてゆくというのは、決してラクな方へ逃げるということではなく、より厳しい道を選んだということだと思っていますので、かえって今はとてもわくわくしています。
ここからが本当の意味で自分自身が問われる場所だと思いますし、また腕の見せ所でもあります。
というわけで、気持ちも新たにますますがんばりますっ。
どうか願わくばぜひこれからも温かく見守っててやって下さいね(照)
Tommyさま
いつも本当にありがとうございます。
そして、身に余るお言葉を頂いてしまって、大変光栄に思うと同時に心底恐縮しています。
そんなにも評価して下さったのですからますますがんばらなければいけないなと、褌を締め直しているところです(笑)
でも、Tommyさまこそ大変熱心に、そしてひたむきにギターに取り組んでおられるではありませんか。
お書きのブログ「ギターとスローライフを愉しむ」を拝見する度に、その真摯な姿勢に心打たれ、怠惰な我が身を振り返っては深く反省し、そして私もTommyさまの姿勢を少しでも見習わなければと大きな刺激を受けているのです。
今はギターの奏法について、思った成果が上げられず苦しい時期をお過ごしかもしれません。
でも、ギターに限らず楽器というものはどれも本当に手強くて、一歩ずつ上達してゆく度に難易度もどんどん上がっていってしまうのですよね。
(例えるなら、階段の一段一段が上にゆくたび少しずつ高くなってゆくようなものでしょうか)
上達したのだから余裕が生まれてもいいはずなのに、実はどんどん要求が厳しくなってしまっている・・・
でもそれは確実に前へ進んでいるという証しでもあります。
決して進歩が止まっているわけではないのです。
(本当に停滞してしまうと、上達しないという苦しみは不思議と感じなくなるものですよね)
ですのでどうか焦らず、いっそ今の状況をとことん楽しんでみてはいかがでしょう。
上級者になってしまったら、もう初心者の頃の気持ちには戻れないのですから。
私なぞが大変僭越ではありますが、いつも心から応援していますので。
一緒にがんばってゆきましょう。
どうもありがとうございました!
yukiiさま
そんなにも深く聴き取って下さって、本当にありがとうございます。
とても感激しています。
まだ学生だったころ、親しい友達との間で
「落ち込んだ時に聴きたい曲は?」という話になったことがありました。
ひどく落ち込んでしまった時は、明るい曲を聴いて元気を出そうとするか
はたまた暗い曲を聴いて自分を慰めるか・・・
恥ずかしながら私は明らかに「暗い曲を聴きたくなる」方でして、それも暗ければ暗いほどありがたくて(笑)
ずーんととことんまで落ち込んで、自分を追い込んで追い込んで、自己嫌悪と自己憐憫に充分に浸らないとなかなか立ち直れないという性格の持ち主でした。
(うわ。なんてヤな奴)
その形質を今でもずっと保ってしまっていますので、こんな短調好きの変な奴になってしまったのです(笑)
ですので、とても変な言い方ですが、今でも暗い曲を弾いたり聴いたりしているととても癒されます。
「辛いのは自分だけではないんだな」と思えるからなのかもしれません。
もちろん、こうした方向性に嫌悪感を抱いてしまう方も大勢いらっしゃいます。
そういう方々には大変申し訳ないのですが、ごめんなさいをするしかありません。
明るい曲をうまく弾けないということは、自分自身でよーく分かっています。
でも、だからこそ
こんな暗い弾き方を受け止めて下さる方には、限りない感謝の気持ちが生まれてしまうのです。
そういう方がひとりでもいて下さるのなら、私はギターを弾き続けることができます。
精一杯、心からの感謝を込めて、ありがとうございましたをお伝えしたいと思います。
そうそう、それからですね
出来れば全楽章通して聴いていただければ、と書いたのには理由がありまして
お聴きになってもうお分かりかと思いますが、この曲、三楽章通して共通のモチーフが使われておりまして、一楽章で出てきた旋律の断片が、カタチを変えて二楽章、三楽章でも重要な主題として姿を現すのですね。
(これはベートーヴェンが「第9」でも使った手法です)
そういうフレーズが何種類も出てきますので、その変化の面白さを聴いていただきたかったのと、全楽章通すことで初めて作曲者のこの曲に込めた意志が浮かび上がってくると思ったからなのです。
お時間取らせてしまいましたが、でも
お勧め通り通して聴いて下さって本当にありがとうございました。
こんばんは、再びおじゃまします。
私が書いたコメントにこんなにたくさんお返事いただいて、ちょっと泣きました。ぐすん。。うれしいです。『暗い曲』と言うより、真実を淡々と音にして表現できる潔さ、救いようがない厳しさを発してくれているように思いました。naoさんの演奏にすべて表されてました。真っ直ぐで純粋で、損ばかりしそうで(すみません)ほっておけません!!ずっとずっと応援しますよ!(^^)!yukii
yukiiさま
こちらこそ、気持ちが救われるようなコメントをお寄せ下さって本当にありがとうございました。
うれしかったのはこちらの方ですとも。
(感動しすぎてついついあんな長文コメントになっちゃいました(照))
なんだかすっかり私の性格が読まれてしまっていて、いや嬉しいやら恥ずかしいやら(笑)
でもそんな風にちゃんと見ていていただけるということは、それは本当にうれしいことです。
こちらこそ、どうかどうかこれからもよろしくお願いいたします。
まだまだもっともっと弾き続けて、録音の配信も続けてゆくつもりですので・・・
ほんとうに
どうもありがとうございました。
オリエンタルワルツ第一楽章を公開して頂いたこと、もちろん覚えております!
それ以来、全楽章の公開を永らくお待ちしておりました。
圧巻の三楽章では國松さんが乗り移っている感じがしました。
素晴らしい演奏、本当にありがとうございました。
これからもアップ続けて下さい。楽しみにさせて頂きます。
kumiさま
お久しぶりです!
お聴き下さって本当にありがとうございます。
なにより以前アップした第一楽章のことを覚えていて下さって、しかも待っていたとまで言って下さって、もうとても感激しています。
以前載せた第一楽章ですが、あれは震災の年でしたからもう三年も前のことなのですよね。
今回、改めてイチから練習し直しましたので、表現のし方もだいぶ変わりました。
全三楽章を通して初めて、この曲の本当の姿、本当の魅力が現れてきたように思います。
私なりに精一杯、出し切ったつもりですので、その演奏をお聴きいただけてとってもうれしく思っています。
遅々としたペースではありますが(汗)これからも少しずつアップしてゆきますので、どうかどうかよろしくお願いいたします。
ほんとうに
ありがとうございました!
gittarrakaoさんのところから来ました。
音に魂が籠っているといったらよいのか、naoさんの演奏に圧倒されました。素晴らしい演奏をされますね。
これからときどき伺いますので宜しくお願いします。
私も國松さんのギターが大好きです。
hideoさま
はじめまして。
ようこそお越し下さいました。
お聴き下さり、そして温かいコメントをお寄せ下さいまして本当にありがとうございました。
チェリストの方でいらっしゃるのですね。
実は私、チェロはものすごい好きな楽器でして、もしも最初にギターに出会ってなかったらきっとチェロに挑戦していたはず、と思う位あこがれの楽器なのです。
そんなチェリストの方に聴いて評していただけたなんて、本当に光栄に思います。
こちらこそ、どうかどうか今後ともよろしくお願い申し上げます。
どうもありがとうございました!
国松さん もっと有名になられてもいいですよね
圧倒的に上手い!
クラシックギタリストの地位 もっと上がってほしいです
コンサートの価格もあまりに安いです
ナオさんが国松さんの曲を弾いて下さり嬉しいです
かおりさま
コメントをお寄せ下さり本当にありがとうございます。
國松さんを一緒に応援して下さってとってもうれしく思います。すごく心強く感じました。
でも本当は私なんかが國松さんの作品を弾いてしまうのは身の程知らずもはなはだしいのですけどね。
(汗)(汗)(反省)
ですがとうとう國松さんのニューディスクでこのオリワル(!)が収録されるそうで、もう今から心待ちにしています。
春にはギター文化館に来てくれるようですし、いちファンとしては今年も楽しみがいっぱいです(笑)
ぜひ、今年も國松さんを盛り立てていってあげましょう!
どうもありがとうございました。
相変わらず美音でした!
オリエンタルワルツが入った オール圀松作曲の新CDもゲット致しました
今日は國松さんのお誕生日ですって
会場は満員とはいえず 寂しかったです
國松さんの実力だったら 即日完売でおかしくないですもの
なおさんのような方が國松さんを応援して下さり嬉しいです