2013年10月27日

山田英男絵画展


栃木県は那須高原の森の中に
ギャラリーバーンという名の、画廊というか
素敵な佇まいの美術館があります。

ギャラリーバーン
http://www.barn.jp/
http://blogs.yahoo.co.jp/nasuweb_blog/26945718.html
http://www.geocities.jp/hwfhb259/gallerybarn.html


こちらのギャラリーさんとは以前から懇意にさせて頂いていまして、今まで何度かコンサートまでさせて頂いたこともあるという、私には大きなご恩のある場所なのですが
そんなギャラリーバーンさんへ先日ふらっと立ち寄ってみたところ、思わぬオファーを頂いてしまいまして、それが今回のタイトルの「山田英男絵画展」に繋がるというわけなのでした。

栃木県は大田原市の「黒羽たまち蔵屋敷」という画廊にて、この山田英男さんという画家さんの個展が開催されるそうなのですが、そのオープニングセレモニーの中でギターを弾いてほしい、というのが今回頂いたご依頼の内容でして
私のようなただのギター愛好家にとっては、それはもうどこまでもありがたいこの上ないお話ですので、一も二もなく「ぜひ弾かせてください!」と飛びつきたいところだったのですが・・・

やはり世の中そんなに甘くはありませんよね(笑)
実はこのご依頼にはクリアすべき問題点がいくつか存在してまして、それらを自分の力で解決できなければ決してお受けしてはいけない、というのがまず最初に考えたことでした。
その問題点というのは・・・


・準備期間の少なさ
お話を下さった時点で本番の日まですでに1ヶ月を切っている、という状況でしたので
楽器を弾かれる方であれば、短すぎる準備期間で人前で演奏することがどれだけ危険なことか理解していただけると思います。
常にレパートリーを保持しているプロ奏者ならともかく、単なる一アマチュアにしかすぎない私ですので、自分の実力を振り返ってみてここが最も躊躇した部分でした。

・選曲
こうした絵画美術のような他分野の場で演奏させて頂くとき、一番気を遣うのがやはり選曲だと思うのです。
お客様はもちろん作品を鑑賞に来られるのですから、まずその作品(絵)の雰囲気を壊してしまうような曲は絶対避けなければいけません。
と同時にできるだけ誰もが聴いた事があるような曲を選ぶことも大切だと思います。
展示作品のイメージを壊さず(できればそのイメージをより膨らませてあげられるような)しかもお客様に馴染みの、聴いていて退屈せずに済むような選曲というのは
マニアックな曲ばかり並んでいる(笑)クラシックギターとしては、実は想像以上に難しいものなのです。

・故障
それとあくまで個人的な私自身の問題として、この右手首のケガのことがありました。
9月の”あだたら演奏会”もなんとか無事終わり、あとは年末の教室の発表会へ向けてぼちぼち練習を始めていたところに届いたこの「絵画展」のオファーだったのですが
私のこの手首、実はまだまだ本調子には戻っていなくて、少し本格的に練習をするとすぐまた痛み始めるであろうことは先の演奏会での経験でじゅうぶん分かっていたのです。
しかも今回は極端に準備期間が短いので、もし出演させて頂くとすれば相当無理な練習を積まなければならないことは明らかでしたので
「きちんとした演奏が出来なければ多くの方にご迷惑をお掛けしてしまう」というのが、私が一番心配したことでした。



こうした数々の問題点を並べてみて、私が出した結論は
「ソロでは無理」というものでした。
提示された40分という時間枠を私のギター独奏で埋めることは、こりゃいくらなんでも今の自分にはとても無理だという結論に達しました。
ですが、こんな一愛好家にしか過ぎない私に声を掛けて下さったギャラリーバーンの代表の方のお気持ちを思うと、もうあまりにありがたすぎて
「ごめんなさい。できません」とは決して言えません。

そこで私が導き出した解決策は、私のもうひとつの大切な音楽活動であるギターデュオPi-ma(ぴま)として出演させてもらおう、というものでした。
ギター二重奏であれば、上に並べた問題点(選曲・演奏時間・ケガへの負担)のかなりの部分が一気に解決できますし、音量も表現力もソロの倍の効果が期待できます。
何より、堅苦しいクラシック音楽ではなく誰もが知っているような曲をギターで弾こうとする場合、ソロより重奏という形式の方がはるかに馴染むのではないかと感じるのは決して私だけではないはずです。
そうした要素を鑑みた上で、ここはぜひギター二重奏という形で演奏させてもらえるようお願いしてみようと思ったのです。

幸いギャラリーバーンさんにも、また私が最も信頼する音楽パートナーのY氏にも快諾をいただけましたので、これで晴れてギターデュオPi-maとしてこの
「山田英男絵画展」オープニングセレモニーで弾かせて頂けることとなりました。
このあまりにも短い準備期間と、そして40分の演奏時間のうち半数以上は新曲という大変厳しい条件にも関わらず快くお引き受け下さったギターデュオPi-maの1stギター、Y氏には心から感謝しています。
何より今回このお話を下さり、しかも「二重奏として弾かせて下さい」というこちらの勝手な申し出にも快く了承下さったギャラリーバーンのS氏には、もう感謝のことばもありません。
手首の故障もあり、思うように弾けないことがとても悔しくもありますが、でもパートナーY氏のお力をお借りして精一杯全力で弾かせてもらおうと思っています。

画家 山田英男氏の作品は、下のリンクに今回のチラシを貼らせて頂きましたが
ご覧のように日本の原風景をとても温かいタッチで描かれる方です。
この素敵な作品を引き立てる・・などと偉そうなことは決して言えませんが、せめて邪魔をしないような演奏ができるよう全力を尽くすつもりです。
興味を持たれた方、またお近くにお住まいの方がいらっしゃいましたら
こちらの「山田英男絵画展」ぜひお越しいただければと思います。


「山田英男絵画展」のお知らせ(大田原信用金庫カレンダー)
http://www.tochipro.com/?p=2232

kaigaten.jpg

『山田英男の描くふるさとの絵は
優しく愛情溢れる風景です。
子供たちが草花を摘み虫を追い
おばあさんやおじいさんが田畑で働いている
私たち誰もが体験してきた風景です』

11月2日(土)〜10日(日)10:00〜16:00
(オープニングセレモニーは2日(土)Pm2:00より)
演奏予定曲目
・小さい秋みつけた
・七つの子
・フール・オン・ザ・ヒル
・ロンドンデリーの歌 など

黒羽たまち蔵屋敷
栃木県大田原市黒羽田町636-1
TEL 0287-54-1111

主催:山田英男を応援する会
協賛:大田原信用金庫 大田原市街かど美術館
問い合わせ:ギャラリーバーン TEL 0287-64-2288


ギャラリーバーンのS氏とご家族のみなさま
gallerybarnfamily.jpg
(S氏の作品です)


訃報:
ここで悲しいお知らせをしなければいけません。
こちらの作家の山田英男さん、つい先日ガンでお亡くなりになられたそうです。
享年69歳、個展開催目前にして息を引き取られてしまいました。
さぞご無念だったことでしょう。
「オープニングにギターの生演奏を入れることができますよ」と主催の方が山田氏にご提案下さったとき、喜んで承諾して下さったそうで
そうしたお話を聞いてしまうと、まだ一度もお会いしたことのない方なのに私もとても残念に思えて仕方ありません。
残念ながら追悼展となってしまいましたが、故人のお気持ちに応えることができるよう精一杯心を込めて弾かせてもらってくるつもりです。
がんばってきますね。




posted by nao at 19:47| Comment(9) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
残念ですが私はいけないので、代わりに那須のお友達に寄っていただきますね。いい音楽を〜〜祈ります。
Posted by kao at 2013年10月27日 20:09

kaoさま

いつも応援下さって本当にありがとうございます。
今回も力強く励まして下さって、もうどんなにありがたくうれしいことでしょう。
おかげさまで勇気百倍!(笑)
はい。精一杯がんばってきますね。

無事弾き終えましたらまたご報告しますので。
お楽しみに・・・

Posted by nao at 2013年10月27日 22:22
久しぶりのnaoさんのブログ。いろいろな活動をされているのですね。美しい音色を求めて集まる人々の前でギター演奏をするnaoさんの姿が羨ましいですね。いつかは機会を作りnaoさんの演奏を見学したいと思っています。
Posted by トミー at 2013年10月28日 19:09
自分のような音楽を全くやらない者が言うのもおこがましいですが…(汗)、素晴らしいギター演奏者であると共に、一画家としても素晴らしい才能をお持ちのnaoさんにとって、故山田氏の画から伝わる想いも敏感に感じとっていることと察します。

今回はいろいろな人の想いが重なった重圧の中での演奏でしょうが、世界は違えど同じ「表現」をするnaoさんだからこその演奏が出来ると思います。
手首の故障は歯がゆい思いでしょうが、Pi-maとしての表現も紛れもなく一つの姿であると思います。

武運長久を祈ります(笑)


Posted by 多聞 at 2013年10月29日 02:25

トミーさま

いつも心温まるコメントをお寄せ下さり、本当にありがとうございます。
とても励まされます。
ただギターが好きだというだけで続けてきたに過ぎないのですが、でも
「継続は力なり」と言いますか、こんな私の演奏でも望んで下さる方がいらっしゃるということが本当にありがたくて
せめてそのお気持ちに少しでも報いたいと思う気持ちが私の原動力になっているような気がします。
多少の故障や障害は何のその!(笑)です。

もちろんトミーさまの励ましもしっかり胸に刻んで、がんばってきますので!
どうもありがとうございました。

Posted by nao at 2013年10月29日 21:28

多聞さま

なんという力強い励ましでしょう!
今の私にはありがたすぎるお言葉を投げて下さって、何だかチカラがむくむくと湧いてきて、針がパワーバンドに飛び込んできたような気がします(笑)

ご覧のように今回は非常に困難の多い状況ではありますが、でも反面
中将のおっしゃる通り、多くの方の想いに支えられてこういう機会を授けていただいたという実感も得ています。
それは本当にうれしいことです。
本番まであと4日。
精一杯、今の自分に出来ることの全てを出し切ってくるつもりです。
「握り直して全部巻」いてきますので(笑)ぜひ見守っててやって下さいね。

応援下さって、ほんとうに
ありがとうございました。

Posted by nao at 2013年10月29日 21:40
naoさん、こちらにははじめまして、ショットと申します。
一昨日栃木太田原市”黒羽たまち蔵屋敷”においてのギター演奏お疲れ様でした。
素晴らしい絵画展にふさわしい演奏選曲演出・・naoさんのお人柄そのもの・・っと感じられました。
芸術の秋・・にふさわしい久しぶりにギター演奏を満喫させて頂きアット言う間のお時間でした。
いろいろな面にて視野の狭い私・・お陰さまでなんだか心広がった気分・・ホホホ。
どうぞこれをご縁にまた機会ございましたら是非ギターお聞かせ願いたく思います。これからの益々のご活躍期待いたします。
Posted by ショット at 2013年11月04日 19:42

ショットさま

拙ブログへお越し下さいましてどうもありがとうございます。
そして先日の山田英男さんの絵画展では大変お世話になりました。
拙い演奏でしたが最後までお聴き下さり、何よりあの素敵な山田さんの絵画作品と一緒にギターの音色を楽しんでいただけたようで、それが最もうれしく思います。

私nao、恥ずかしながらこうして細く長くギターとブログを続けておりますので
もしよろしければお暇な時にでもまたぜひ覗いてやっていただければと思います。

ほんとうに
どうもありがとうございました。

Posted by nao at 2013年11月05日 17:36
noa様はじめまして
過日の山田様の絵画展に際しましては素晴らしい演奏を聞かせていただきありがとうございました。
演奏の邪魔になるのではと心配しながらも、カメラを持ちnoa様から向かって右側の前で撮影させていただいた者です。
山田様の作品にマッチした、心温まる素晴らしい演奏にただただ感動し聞き入っていました。
もしよろしければ、拙い腕前ですが当方が撮影した写真をお送りできますので当方のメールにご連絡頂ければと思います。データとしてでもCDに書き込んだものをお送りすることも出来ます。素晴らしい演奏を聞かせていただいたお礼に遠慮なくお申し付けください。(写真データファイルのオリジナルは6MBありますのでメールでお送りする場合はサイズダウンしてお送りします、お送り先がわかればCDにオリジナルを焼いてお送りできます、10枚程度あります)
また、当金庫のカレンダーのリンクをしていただきありがとうございます。
今後も益々のご活躍を祈念しています。
Posted by zoo563 at 2013年11月05日 20:56
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