2020年08月24日

ロジー伯の墓に捧げるトンボー〜リュートギターで弾いてみました(S.L.ヴァイス/佐々木忠編)



今日はちょっと珍しい楽器をご紹介したいと思います。
これは『リュートギター』といいまして、機能的には完全にギターなのですが
ボディがリュートを模した形をしているという面白い楽器です。
弦も6本、フレットも12本(ボディとの継ぎ目までの本数)おまけに弦長も普通の650mmということで、運指も奏法も全くギターと同様に弾くことができますし、弦もそのままギター用のナイロン弦を張ることが可能となっています。

このリュートギター、存在自体は大昔から知っていたのですが、国内ではどこを探しても売っている店がなく、先日ようやくドイツのあるメーカーが製作・販売していることを突き止めたので、さっそく喜び勇んで購入手続きを行いました。


Thomann Lute Guitar Standard Cypress
https://www.thomann.de/gb/thomann_lute_guitar_standard_cypress.htm?sid=1449675f79c2f4807368b388aa884be2&ref=prod_rel_228892_0


ところがですね、いざ届いてみるとこのリュートギター、かなり弾きづらい楽器でして、まず弦と弦の間隔が普通のギターと同じなのにネックだけがミョーに細いので、1弦や6弦から指がよく外れてしまいます。
しかもボディの裏側が丸まっこいので(ちょうどラグビーボールを半分にしたような形)非常に構えづらくて、そのくせストラップひとつ取り付けられるような仕組みもなく弾くのに非常に難儀します。
音程も悪いし構えも安定しないし、何より最悪なのはボワンボワン鳴りまくるウルフトーン。
なにしろ押弦した左指を離しただけでウルフが鳴るのですから、いやもう非常に苦労しました(汗)

でもよく考えてみると、本体価格が約360ユーロという破格の安さ。
(関税だ何だで実際に掛かった費用は、日本円で6万円以上にはなりましたが)
いくら楽器の相場が安い西欧とはいえ、そんな価格帯の楽器なのですから機能に劣る部分があってもある意味当然なのかもしれませんよね。
本気でステージで弾いたり録音したりといった用途にはまるで耐えられないと思いますが、ただ雰囲気を楽しむように遊びで弾くには充分使える楽しい楽器だと思います。

ちなみにこのリュートギター、お尻の部分に無理クリ穴を開けてエンドピンを取り付けまして、アコギ用ストラップを装着したのでかなり弾きやすくなりました。
弦の方も、やっぱりそれっぽい響きが欲しかったので、いつものプロアルテではなくサバレスの「ニュークリスタル」「アリアンス」「カンティーガ」をミックスして張ってみました。(サバレス張るときの定番の組み合わせですね)

そして、せっかくなのでバロック期のリュート曲からなにか弾こうと思い、でもバッハなどの難しい曲や速い曲はとてもじゃないけどこの楽器では無理なので、無難なところでヴァイスのトンボーを選んでみました。
(以前にもこのブログで取り上げた曲ですが、今回はYouTube動画ということでひとつ大目に見ていただければと(汗))

そんなわけで、珍しい(だけの)リュートギターのそれっぽい響きをお楽しみいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
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posted by nao at 22:45| Comment(0) | 演奏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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