2016年12月24日

I remenber Mr.Hirokazu Sato


今回の『好ギタ日』は、とても残念で悲しいお知らせをしなければなりません。

2016年12月22日、ギタリストで名作曲家の佐藤弘和氏がお亡くなりになりました。
享年50歳、あまりに早すぎる訃報に大きな衝撃を受けています。


この日本のクラギ界において、氏の功績は計り知れないほど大きなものがありました。
ソロからアンサンブルまで活躍された演奏活動はもちろんですが、門下から何人ものプロ奏者を輩出していますし、何よりビギナー向けの革新的な入門曲から村治佳織氏のようなトッププロへの楽曲提供まで、ギター作曲家としての貢献度たるやあまりに多大なものだったといえるでしょう。
(氏の編曲による『戦メリ』が作曲の坂本龍一氏から絶賛され、それを機に坂本氏が村治佳織氏のために自身初のギター曲を作曲して献呈下さったというのは有名な話です)


僭越ながら拙ブログでも、佐藤弘和氏の作品は今までいくつも弾かせてもらってきました。
特にピアソラの曲を佐藤氏がギター用に編曲した「タンティ・アンニ・プリマ」や、同じく佐藤氏編のギター二重奏版「ロンドンデリーの歌」などでは、佐藤氏がなんと自らのFacebookなどで取り上げて下さり、非常に感激したのを強く覚えています。

何年か前の重奏フェスタでは、図らずも「共演」させていただきましたし、GGサロンのコンサートではお会いしてお話させていただいたこともありました。
何より、氏の作品の大ファンの一人として、これからまだまだ何十年も素晴らしい曲をたくさん弾かせてほしかった・・・
そう思うと、早すぎる訃報があまりにも残念です。


私たちはまたひとり、かけがえのない方を喪ってしまいました。



氏の作品の素晴らしさ、その価値の高さはギターに携わる者なら誰もがみな認めています。
「惑星幻想曲」や「My favorite things」など、私だってまだまだ弾きたい作品がいっぱい溜まっています。
氏のギター作品は、間違いなくこの先何十年、何百年と、日本のみならず世界中のギター演奏家に弾き継がれてゆくことでしょう。


今はただ、心からご冥福をお祈り申し上げます。
どうか今はゆっくりとお休みになって下さい。
今まで本当にお疲れさまでした。
そして心からありがとうございました。

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posted by nao at 16:40| Comment(5) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月14日

エナジーフロー(坂本龍一〜nao編)


エナジーフローと聞いて、まず思い出されるのがあの
栄養ドリンクのCMですよね。
大都会の大きな交差点の真ん中でグランドピアノを弾く教授の姿がとても印象的でした。
当時アホな青年だった私は、あのCMに痛く触発されて
「よーしオイラも!」と、田舎の大したことない交差点で
(それでも地域で一等大きな交差点だったんですよ)
ギターと椅子を抱えて、歩行者赤信号になったらダッシュしてド真ん中でギター弾いたる!と、実行寸前まで行ったのも今では青春の淡い思い出でございます。
でも

・・・スクランブル交差点じゃなかった
・・・苗積んだ軽トラ軍団に弾かれそうになった
(アホ)


とまあ冗談はともかく(照)
このエナジーフロー、当時ものすごく流行りましたよね。
もう10年以上前だよなあ…と、改めて調べてみるとなんと1999年の発売だったそうです。ノストラダムスとか2000年問題とか、いろいろありましたっけ。(遠い目)
私も当時いの一番にCDを買ったひとりですが、CD発売から程なくして
「ウラBTTB」という白い表紙のピアノ譜が販売されているのを見つけまして
その楽譜を入手したことがこの曲のギター編曲への大きな動機となりました。
でも編曲といってもこの曲の場合調性も変える必要がありませんでしたし、特に難しいところもなくただピアノからギターへ移した、といった程度のものです。
出来るだけ原曲のイメージを崩さず、という意図を守った結果でもあります。
とはいえ、ピアノ曲をギターへ移すときはまず同時に発音する音の数を減らさなければいけませんので「どの音を省略してどの音を残すか」がとても大切になってきます。
音域にしてもギターはピアノに比べてはるかに狭いので、そこはギターならではの
「替え指」運指を駆使してカバーする必要がありました。

それでも当時、まだこの曲が流行っている間に大急ぎで編曲を行ったので
「この曲をギターで弾いているのは恐らくまだ誰もいないのでは?」というのが、当時の私のプチ自慢だったのですが(笑)いわゆるチョサッケンが怖くてどこにも発表しなかったのでそんなもの何のジマンにもなりゃしないという感じでございました。

で、私としましてはもう相当昔の話ですのでこの曲を書いたこともすっかり忘れていたのですが、今回の公民館の演奏依頼の件で(前回の記事参照)ふとこのエナジーフローを思い出し、何年かぶりに弾いてみたと、まあそういったわけだったのです。
このブログにもとっくに載せていたつもりだったのですが、どうやらそれもカンチガイだったようで、かえってよい機会だったかもしれません。

てなワケで、懐かしの教授の名作「エナジーフロー」
この曲のギター版はもしかしたら今でもちょっと位は珍しいかもしれませんので
もしよかったらぜひさわりだけでも聴いてみていただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。


エナジーフロー(Energy Flow)

posted by nao at 17:49| Comment(4) | TrackBack(0) | 演奏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月12日

リバーサイドホテル(井上陽水/永塚節編)


先月のことです。
隣町の公民館から
「秋祭りの中のアトラクション(余興)として、30〜40分ほどギターの演奏をしてほしい」という依頼を受けました。
ただ「誰もが知っているような曲を」という条件でしたので、最初はお受けするかどうか少し悩んだのですが、まあ家中ひっくり返してポップス系の楽譜をかき集めればなんとかなるだろうという安易な結論を無理くり導いて(笑)謹んで依頼をお受けして弾いてきました。
結局、10曲近く用意してほとんどMCなしで連続でどんどん弾く、というスタイルを採用したのですが、喫茶店やレストランでの生演奏ぽかったという感想をいただき、概ね好評だったようでホッとしています。
お話をいただいてから本番まで二ヶ月くらいしかなかったので、その間に曲を集めて練習して仕上げるという作業は、普段練習しているのと違うジャンルの曲たちということもあってかなり大変ではありましたが、でも演奏依頼を下さったということそのものがとてもうれしかったので、こうして無事終えることができて本当によかったと思っています。

そんなわけで、今やすっかりポップスギター弾きとなった私ですので、今回からは日本の有名なポップス曲をギターソロでお届けしたいと思います。じゃーん!
(いえでもホントは、せっかく練習した曲がもったいないので録音してみただけなんですけどね(汗))


今回の曲は、井上陽水氏の「リバーサイドホテル」です。


私ですら知っているのですから、この曲を知らない人は多分いないのではないでしょうか。
この曲を選んだのは、実は特に原曲が好きだからというわけではなく(陽水さんゴメンナサイ)編曲が無茶無茶カッコよかったからなのです。
こういうジャンルの曲を、クラシックのギターソロで、簡単すぎずまた難しすぎずしかも弾いていてどこか恥ずかしかったり照れ臭かったりしないような編曲の楽譜というのは実は結構少なくて、いい編曲に巡り会えただけでとてもラッキーだと思うのです。
今回使用したこの永塚節氏の「井上陽水ギターソロ作品集」という曲集は、現代ギターより出版されている楽譜ですので、恐らく今でも版を重ねて販売されているのではないでしょうか。
我々クラギ奏者としては「困ったときのポップス曲集」ということで(笑)いざという時にとても重宝すると思います。
では、もしよかったら
ご用とお急ぎでなかったら(笑)ぜひちょっとだけでも聴いてみていただければと思います。


「♪ 夜明けが明けたとき……」
「♪ 川沿いリバーサイド……」
???(笑)


リバーサイドホテル


posted by nao at 17:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 演奏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月10日

ギター曲集『風の間奏曲』より(その4)


またまた今回もひつこく
佐藤弘和氏の『風の間奏曲』より2曲ほどお届けしたいと思います。
よかったらちょっとだけでも聴いてみて下さい。


★思い出     P15
作者の注釈にもあるように、この曲は五音音階で書かれています。
五音音階の中でも「ヨナ抜き音階(第4音と第7音を抜く)」が使われています。
簡単に解説しますと、この曲はト長調ですので主音は「ソ」ですよね。
その「ソ」から数えて4コめの音符は「ド」になります。
また、7コめは「ファ♯」です。
つまり、本来「ソラシドレミファ♯ソ」となるはずの音階からドとファ♯を抜いて
「ソラシレミ」だけを使って書かれている、というわけなのです。
勿論、『絶対に使ってはいけない』というわけではないので、あえて部分的にこの法則を破ることで逆にペンタトニックを強調するという手法もよく使われます。
そういう部分も意識しながら聴いたり弾いたりしていただけたら面白いかもしれません。
音階から2コ音を抜くことであえてゴツゴツした感じを与え、でもそのおかげで意外性や郷愁感などといった効果を持たせることが出来る…
それがこの五音音階の一番の狙いなのです。
(代表的な曲を挙げると、君が代やさくらさくら、ロンドンデリーの歌なども
五音音階で書かれています)
そうした、ある意味ちょっと古臭い手法の音階ではありますが、でもそれをこんなにもモダンでおしゃれな今風の曲に仕上げてしまうのは、さすがは名コンポーザー佐藤氏!だと思います。


★聖ヴァレンタイン・ワルツ  P17
まだクリスマスも来てないのにバレンタインだなんて、季節外れも甚だしくて申し訳ない限りなのですが(笑)でもま
改めてタイトルを見直してみると「聖」が付いていますので、これはきっと聖人ウァレンティヌスのことを指しているのだろうと勝手に決めつけてアップすることにしました。
そんなしょーもない言い訳とは全く関係なくとてもチャーミングでいい曲ですので、よかったらぜひ聴いてみて下さい。
どうぞよろしくお願いいたします。


思い出 (Remenbrance)


聖ヴァレンタイン・ワルツ (St.Valentine-Waltz)



posted by nao at 14:37| Comment(7) | TrackBack(0) | 演奏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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