2015年12月24日

Eterna saudade「エテルナ・サウダージ」 (D.レイス)


今日は楽しいクリスマスイブ。
でも、そんな華やかなクリスマスには決して似つかわしくない、ずーんと暗く悲しい曲を載せてしまいます
f(^▽^;)
現代ブラジルの作曲家、ディレルマンド・レイスの「Eterna Saudade」を弾いてみました。

この曲、岐阜の哀愁ギタリストさんのYouTubeの演奏やKazu SuwaさんのCDから知ったのですが、一度聴いただけでその曲と演奏のよさにたちまち虜になってしまい、慌てて楽譜を探して練習を始めたのでした。
で、「私もああいう風に想いを込めた演奏がしたい」と願いつつ、とにもかくにも何とか録音まで漕ぎつけたのですが、ぜえぜえ言いながら録ったばかりの自演奏を聴いてみると

・・・ん?なんか違う。
前述のお二人の演奏を見倣ってゆっくりめのテンポで始めたのですが、こちらの思いに反してなんだかただのったりと退屈な演奏になってしまってて、これじゃダメだと一から曲作りをやり直すことになりました。
いろいろ悩んで、とりあえず今の形に落ち着きました。
イントロのない曲ですので、出だしは特に早目のテンポを心掛けて感情は抑えめに、で
聴かせどころのTrio(中間部)の部分からどんどん突き進んでいって、そしていよいよD.S(ダル・セーニョ)で最初に戻ったところで思いっ切り気持ちを込めてSaudadeしよう・・・とまあ、そんな風に構成を考えなおしてみました。
でも、これが果たして正解なのかどうかは未だに分かりませんし、やっぱり表現ってものすごく難しいです。
でもそこが『演奏』という行ないのたまらなく面白い部分なんですけどね。



ちなみにこの「Eterna Saudade」、邦訳では『遙かなる郷愁』とされているそうですが
曲の持つ内容、内包する感情を考えるとどうもピンと来ない。
どこかちょっと違うような気がします。
ブラジル・ポルトガル語の「Eterna」は、英語にすれば「Eternal」、永遠とか不滅とか果てしないといった意味だそうですが、では肝心の「Saudade」とは?
これがまたムズカシくてですね、かなり広くて深い意味があるそうなのです。

例えば、故郷を懐かしむのも「Saudade」
昔を思い出して切なくなるのも「Saudade」
失恋したときも「Saudade」
親しい人を亡くしてしまったときも「Saudade」

そういった意味の言葉なのだそうで、ふーむそう考えるとこのエテルナ・サウダージ、悲しいとか懐かしいとか切ないとか淋しいとか、そんな感情をひっくるめたものを表しているのかもしれません。
そうやって考えてゆくと、なんとなくこの曲のイメージが湧いてきたようなこないような・・・?(笑)
少なくとも邦訳『遙かなる郷愁』という字面から受けるイメージには惑わされないよう、がんばって弾いてはみたつもりです。←弱気


あはは。まあとにかくですね
もしよろしければ、興味とおヒマがございましたら(笑)
ぜひ聴いてみてやっていただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。


Eterna Saudade(エテルナ・サウダージ) D.レイス




posted by nao at 15:27| Comment(29) | TrackBack(0) | 演奏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月05日

ギター講座


先の11月、近所の公民館で
ギター講座の講師役を勤めてきました。

福島県郡山市にある中田公民館では、地域の方々を対象に
半年間に渡る生涯学習講座 ”いきがい学級” というのを開催しています。
6月から11月まで、料理や体操や和紙工作など様々な体験を楽しく行おうという講座です。
その中で今年は「生の音楽を聴こう」という企画案が出たそうで、そのお話がどういうわけか
巡り巡って私のところへ来てしまいまして・・・
f(^_^;)
開催日は11月11日、10時から12時までの2時間のワクをギター一本でなんとか乗り切らなくてはいけません。エラいこっちゃでございます。
オファーを頂いたのが6月でしたので、それから約半年
仕事の合間を縫って練習に必死の日々でした。

講座の内容については一任されていましたので、色々な案を考えてみました。
理想を言えば参加者の方たちに実際に楽器に触れてもらって簡単なレッスンをしてみたかったのですが、でもそれには手持ちの楽器では数が足りなすぎます。
かといって普通のコンサートのように2時間ずっと弾き続けるというのは、今の私の腕前、体力を考えると、とてもじゃありませんが無理すぎます。

そこで思いついたのが、音楽史や音楽ジャンルについての簡単な説明を
演奏を交えながら行ってみようというプランでした。
勿論、これだけの短時間では本当に大雑把な説明しかできませんし、ましてやそれをギター1本で弾ける曲で解説する、となれば自ずと曲も限られてきます。
でも、しゃべりで時間を稼いで(!)曲数を減らすという悪巧みがとても魅力的だったので
この内容で乗り切ることにしたのでした。ひっひっひ。( ̄ー ̄)ニヤリ

以下、当日の演奏曲目を書いてみます。


◇オープニング◇
  ロマンス(禁じられた遊び/間奏付きver.) 

◇音楽史編◇
・バロック代表
  メヌエット Anh.114/115 (J.S.バッハ)
  アヴェ・マリア (G. カッチーニ)
・民謡代表
  グリーンスリーブス (イングランド民謡)
・古典期代表
  ディヴェルティメントK.136(W.A.モーツァルト)
  エリーゼのために (L.v.ベートーヴェン)
・ロマン派代表
  プレリュード第7番 (F.f.ショパン)
  ノクターン (F.f.ショパン)
・印象派代表(ちょっと違うけど)
  ジュ・トゥ・ヴ(E.サティ)

◇音楽ジャンル編◇
・ロックンロール代表
  イマジン(ジョン・レノン)
・フォークソング代表
  イエスタデイ・ワンス・モア(カーペンターズ)
・モダンジャズ代表
  テイク・ファイブ(P.デズモンド)
・ボサノバ代表
  いそしぎ (J. マンデル)
・フラメンコ代表
  エル・ビート(スペイン伝承)
・タンゴ代表
  タンゴ・アン・スカイ(R.ディアンス)
・映画音楽代表
  鉄道員(C.ラスティチェリ)
  ひまわり (H.マンシーニ)
・日本のうた代表
  浜辺の歌 (成田為三)
  小さい秋みつけた(中田喜直)
・ヒットソング代表
  アナと雪の女王〜Let it Go(C.A.ロペス)
  ハナミズキ(一青窈)
・ギターオリジナル曲代表
  アルハンブラの想い出(F.タレガ)


・・・後半はさすがに時間切れでかなり割愛した曲もありますが(正直助かりましたけど(汗))
でもこれだけの曲を用意するのはホントへとへとになりました。
改めてプロ演奏家のすごさを実感した出来事でもありました。
本番は指の疲労が激しくてボッロボロもいいとこでしたが、でもどうやら概ね好評をいただけたようで、大任を果たせて心底ホッとしました。
講座の参加者さんたちだけでなく、職場の同僚や元上司も応援に来てくれてとても心強くありがたく思いましたし、それに終演後、
「オラも昔「禁じられた遊び」弾いとったばい」
「久しぶりにショパンが聴けてよかった」などと参加者さんたちから声を掛けていただいたりして、おかげさまでとてもよいステージができたようで大変感謝しています。
応援下さった皆様、本当にありがとうございました。



朝のリハーサルの様子です
GuitarLecture1.JPG


公民館の方がこんなステキ看板を作って下さいました
GuitarLecture2.JPG


こんな雰囲気で講座が進んでゆきました
GuitarLecture5.JPG


なんかしゃべってますが、やっぱり様にならないですね(恥)
GuitarLecture4.JPG


チューニング中はトークが止まってしまうのも今後の課題でしょうか
GuitarLecture6.JPG


最後まで聴いて下さった皆様には本当に感謝です
GuitarLecture7.JPG


posted by nao at 14:39| Comment(8) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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